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03


「それがこの村というわけ」

 少年は絵本をめくりました。
 そのページには、緑豊かな風景が描かれていました。
 旅人は、黙って絵本を見つめていました。
 少年は静かな微笑をたたえたまま、旅人に尋ねました。
「もう一杯、水はどう?」
 旅人は、はっと気づき、「そうだな、もらおうか」と答えました。
 少年が傍らの杓を手に取り、絵本のページをめくりました。そこには、あふれんばかりに水が満ちた井戸が描かれていました。


 少年は、澄んだ水を湛えた井戸から杓に並々と水を汲みました。




 去り際、旅人は尋ねました。
「その後、村はどうなった?」

 少年は静かに微笑みます。
「幸せになりました」

 旅人は、また尋ねます。






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「じゃあ、魔法使いは?」








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